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学年によって色の違うスリッパ私達の色が一番イケてた
自転車を重い足取りで漕いで学校に着くと
もう生徒はほとんどいなくて
そういえばこの3年間でこんなに静かな
昇降口は初めてかもしれない、
貴重な体験だな、なんて思いながら
卒業証書を探すけれど、
それらしきものは一切見つからない。
職員室で預かってもらっているのかと思い
自分の靴箱へ向かうと当然ながら
スリッパはもう持って帰って無い。
あー何してんだ自分、と呆れたけれど
靴箱の奥の方に何かが入ってるのを見つけた。
何これ、メモ…?折り畳まれた紙を開くと
“ 上杉 琴李
卒業証書か欲しければ 星の山公園まで来い ”
と書かれていた。
え、何、どういうこと。
よく意味がわからなかったけれど
星の山公園に行くしか無さそうだ。
カツアゲとかされんのかな、どうしよう…
でもお財布もってないよ…と
真面目に馬鹿みたいなことを悩みながら
更に重い足取りで、星の山公園に向かった。
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