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「そんなんじゃない!」
「お前はぼやぼやしすぎなんだよ。バカはバカっぽく大人しく待ってりゃいいんだよ」
酷い。
「お前、桐谷のどこみてんの?」
そう怒って綾野君に掴み掛りそうになった先輩の腕に、「大丈夫ですから」と言って手をかけた。
正直、うれしくて泣きそうになった。
「行くぞ、文香」
けれど私は綾野君に手を掴まれ、無理やり引っ張られた。
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