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渡辺はまた頷き
『スナックボンバーで飲んでたその時にどこで嗅ぎ付けたのか、薬物を取引してるって男に 儲かるから一緒にやろうと悪魔の囁きに誘われてな。警察の情報を流せば金を払うと言われたんだ。だが俺は悩んださ。悩みぬいた答えが………』
植松は渡辺の言葉を聞いていた。渡辺は話しを続け
『子供の手術費を稼ぐだけならと悪魔の囁きに乗っかったんだ。しかし警察の情報を流すだけで儲かる儲かる。警察官の給料なんか微々たるもんよ。』
渡辺は一瞬言葉を詰まらせ
『医者に子供の手術費を払って手術をしたが………子供は二度と目を覚まさなかった………俺はショックから立ち直れなかった。どこにぶつけていいのかわからなかった。俺はこっちの世界から足を洗えず気がついたらその男から独立して仲間を集めて大々的にやってたんだ………』
植松は渡辺に
『だからと言って………』
渡辺は植松の言葉に
『それじゃお前はその時の俺の立場になった時にどう行動していた。お前の大事な家族がそんな立場になったらどう行動してた?』
植松は渡辺の質問に黙ったまま俯き、渡辺は笑いながら植松を見て
『ほら見ろ、答えられないだろ!!ギャハハハハ………』
植松は俯いたまま間を置いたあと渡辺を睨み、その瞬間拳銃を手に持ち
バンッッッバンッッッバンッッッバンッッッバンッッッ………!!
『………ッッッ!!なッッッ!!ひ、ひぃぃ!!た、助けてくれ!!』
植松が弾を放った瞬間、渡辺は腰を抜かし、その場に座り込み驚きの表情のまま体が震えていた。植松は拳銃に弾を入れ渡辺の額に拳銃を向け怒りの表情で睨みつけ
『あんさん、もう一回舐めた口聞いたら今度は外さへんで撃つで………ちなみにこの拳銃、美保が使ってたやつでな、今泉先輩が本当はいけない事だけど、彼女の形見として使ってくれってうちに引き継がせてくれたんや………これうちにとって美保の形見なんよ。今、うちは美保と一緒に居るんや。美保の仇、取らせてもらうで………』
『ひ、ひぃえぇぇぇぇ〜〜〜………』
植松が手に握っている高倉美保が使っていた拳銃で放った弾は全て渡辺の顔スレスレにかすめて壁に命中していた。腰を抜かし座り込んでいる渡辺の体は全身が震えていた。
渡辺を睨んでいた植松は体を震わせ目からは涙が流れていた………
そのあと直ぐに捜査員数人が渡辺勝家を立ち上がらせ連行しようと植松の真横を通過した時、植松は
『山崎さんの極秘SDカードの中に、スナックボンバーの事も記入されてましたよ。あなたが裏でスナックボンバーを仕切ってたとは………』
渡辺は植松の言葉に
『くぅッッッ、ヤツはそっちも調べてたのか………』
植松は正面を向きながら捜査員に連れられている渡辺に
『今頃は捜査員がガサ入れに入ってます。まさかスナックボンバーの裏の入口から地下に降りた先の部屋で 薬物売買や薬物パーティーをやってるとは………薄々は感じてましたがね………』
渡辺はそのまま捜査員に連れられて行った。
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