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唇を、思う存分に後輩に貪むさぼられ、俺は空気の抜けた風船のように脱力していた。
最初は色々ともがいていたが、力及ばず、もうその後は抵抗する力もなく、奴にされるがままだった。
その後、満足したのか、やっと圭一が俺から離れ、身体の重みから解放される。
俺はふうっ…と、やっと…息をついた。
何が起こったのか、頭があまりまとまらないままだったが、さすがに横になったまま、その場でゆっくりくつろぎながら考える勇気はなかった。
なぜなら、圭一のことを、
初めて少し…怖いと感じたから…
ただ、そんな俺の内心を、後輩に悟られるわけにはいかない。
図らずもこんな目にあったからといって、今後も…奴にナメられるわけにはいかない。
俺はムクリと起き上がり、その場にあぐらをかいた。
圭一を、正面から見据える。
すぐに奴も俺を真っ直ぐに見返してきた。
先輩である俺に、無理矢理キスやらしておいて、見返してくるとは、生意気な奴。
なんとなく、奴の瞳の奥が濡れているように光っている。
俺はゾクリ…とする。
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