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「…あのな…圭一、おまえ一体、
何、言ってんの…?
さっぱり意味がわからん…。」
俺は、年下男に組み敷かれた状態の情けない格好のまま、後輩に下から、ゆっくり話しかける。
「あのさ、はっきり言って、マジで意味不明なんだけど…なんなの、この状況…!?」
圭一は答えないが、俺は続ける。
「俺さ、いつもみたく、漫画借りにきただけやん。なんかお前の気に触ること、したか…?」
奴は答えない。
少し、イライラしてくる。
「もし、なんかしたんなら、謝るわ俺、鈍感なとこあるし。なんかあるなら、ハッキリ言ってくれ。ただ…」
俺は続ける。
「…特に理由がないなら、今すぐ、俺の上から退け……マジ、本気でぶんなぐるぞ…」
そう言って、圭一を睨みつける。
俺の、マジ切れ目線を、初めて奴に浴びせた。多分圭一は、少し…びびってるだろう。
当たり前だ。
いつもはヘラヘラしているが、こんな時は、年上の威厳を少しは見せておかないとと…
俺は内心、毒づく。
普段の俺は、自分で言うのもなんだが完全なる平和主義。
とにかく、仲間割れとか、喧嘩とか、悪口の言い合いとか…そういうのが大嫌いなのだ。
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