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今なら、許してやる。あ、冗談ですーアハハと、笑えば、平和一番の俺だ、笑って許してやる。そう思って圭一の反応を待つ。
圭一がやっと口を開いた。
はいはい、言ってみろ、もうなんでも、大概は許してやる。俺は優しい先輩だから、可愛い後輩がちょっと、悪ふざけしました、なんちゃってドッキリでしたーの一言だけで、許す、許すよ…俺だから。
だが、奴の返事は、さらに耳を疑うものだった。いるのかどうか見たことないけど、神様ごめんなさい。もう、おれ、平和主義、貫けそうにないかも。
…血迷い過ぎな後輩が発した、追い討ちのセリフは以下の通り。皆さん、ご判断ください。
「あ、理由とかよくわかんないです。それと別に先輩が悪いことしたとかも、ないんです。ただ…」
圭一は俺を、悔しいが上から見下ろしながら続ける。
「ただただ、先輩と、シテみたいんです。
アレを…アレって、わかります?恋人同士がキスから始まり、最終的にするアレ、です。
なんか、すみません、正直に言うと、こうなります。驚かせてますよね。でも、散々俺も悩んだ結果、こうなってます…
先輩、良かったら、俺にさせてくれません…か?」
…だって…さ。
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