エピローグ 君からの卒業

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エピローグ 君からの卒業

僕はこの場所で君のことをずっと見守ってきた。よく晴れた日も雨の日もずっと変わらずに。 君は僕を見上げ話しかけてきたね。 「ねえ、聞いて今日は友達と喧嘩をしてしまったんだよ。どうしよう~」と泣きそうな顔で僕のことを見上げてきた日もあった。 それから、「わたし叶えたい夢が見つかったんだよ」とそれはもう嬉しそうに顔をほころばせ僕のことを見上げた日もあった。 いつも笑ったり時には泣いたり表情豊かな君を見られることができて僕は幸せだった。 君の嬉しそうな顔を見ると僕も嬉しくなるし君が泣くと僕も悲しくなった。 そんなある日。 「ねえ、聞いてわたし描きたい物語が決まったんだよ」 君はニコニコと笑い僕に報告してくれた。 「あのね、この桜の木の下で男の子と女の子が出会う話を思いついたんだよ。それで、名前がね……」 楽しそうに弾む声で話してくれる君の声に僕は心の耳を傾けた。 「前川夢真と桜川桜子に決めたよ。良い名前でしょ?」 そう言って君は満面の笑みを浮かべた。
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