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桜の木の下で
「人生ってなかなか上手くいかない~」
わたしは、川沿いの桜並木にあるベンチに座り呟いた。なんて、声に出してしまったけれど周りに人がいないか心配になりわたしはキョロキョロと辺りを見渡した。
幸い近くに誰もいなかった。桜の花びらがさらさらと舞っているだけだったのでホッと胸を撫で下ろした。
わたしは桜川桜子。高校二年生。苗字と名前の両方に桜が入っていてちょっと恥ずかしいなと思う。だけど、可愛らしい名前だよねとよく言われるので褒め言葉だということにしておこう。
「それにしても……」とまたまた呟いてしまったその時、
「どうしたのかな?」と男性の声が聞こえてきた。わたしはその声にびっくりしてキョロキョロと辺りを見渡した。
さっきは誰もいなかったはずなのに……。
この声はどこから聞こえてきたのだろうかと思ったその時、わたしの肩を誰かがポンと叩いた。
「うぎゃ!!」
わたしはびっくりして思わず声を上げてしまった。恐る恐る振り返るとそこには。
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