2/10
前へ
/50ページ
次へ
「今まで忘れててごめん」 「……ううん。弘が忘れててくれてよかった。立場が逆だったら、僕はきっと気が狂ってたと思うから……」  確かにそうかもしれない。でも俺に忘れられていると気づいた時、きっとこいつはまた傷ついただろう……。 「……俺は狂ってたんだと思う。じゃなきゃお前を忘れるわけない」  感傷に浸っていると、急に股間がざわざわした。 「……なんで今?」  極限にシリアスなムードを無視して股間を撫でてきたこいつは、薄々感づいてはいたけどやっぱりちょっとサイコパスなのかもしれない。 「ごめん。やっぱり片想いじゃなかったんだって思ったら興奮した」 「……どの話からそうなった?」 「僕を忘れるわけないって話」 「親友なんだから当たり前だろ。幼馴染みだし」 「……はぁ。まだそんなぬるいこと言ってるの?」 「ぬるいって?」 「ただの親友とか幼馴染みのちんこ触ったりするの? 弘は」  俺は自主的に触った覚えないけどな……。 「いいかげん認めなよ、僕のことが好きだって」 「それは否定してないだろ」 「じゃあ親友としてでも幼馴染みとしてでもなく、恋愛対象として僕を『好き』だって認めて?」 「……そんなの……わかんねーよ……」 「……いいよ。じゃあ僕が教えてあげる」 「……え……?」  いつもほわっとした笑顔を浮かべている竜美が、もしかしたら怒ってるんじゃないかってくらいの真顔で俺を見下ろしている。……こんな顔はじめて見た。 「……っ、何?」  俺の片脚を抱えた竜美が、平然と股の間に入ってきた。……なんだこの恥ずかしい体勢は。 「おい、何する気だよ?」 「……」 「……っおい!?」  えっ怖い。なんか無言でズボン脱がしてきた。とっさに掴んでなかったら絶対パンツも脱がされてた……。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

228人が本棚に入れています
本棚に追加