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「この部屋にはツッコミ担当がいないね」 「えっ?……あぁ、ツッコミはちょっと苦手かな。声張るのとかちょっとね」  どうしてこのタイミングで照れるんだろう。なんだか掴みどころのないイケメンだな。とりあえずこの状況でツッコミがいないのは致命的だ。 「ここぞとばかりに声張るのとか……ちょっとね」 「さっ、そろそろ起きて支度しないと。今朝は職員会議もあることだし、いつまでもこんな夢を見てるわけにはいかないからな」 ──ぱちっ。目を開けた瞬間、目はもう開いていた。見知らぬイケメンが俺をじっと見つめて、チートなイケボでまた「可愛い」なんて言った。 「抱き枕の付喪神ユーシンです。よろしくね」  朝起きたら俺の愛用抱き枕が銀河系レベルの超絶イケメンに変わってました。  華麗にタイトルコールを決めたところで、いよいよ本題に入る。起きたら銀河系レベルの超絶イケメンに変わっていた俺の愛用抱き枕が、俺の朝勃ち◯こをさも当然のごとくナデナデしちゃってる件について。 「ぎゃあああああぁッ! 不審者ッ! 警察! 誰かっ! お隣さーん、110番お願いします! あーダメだー! ここ角部屋で隣は未入居だったー! ちなみに間取りは2DK」 「ずっと見てたよ……ヒロのこと。毎朝コレを僕の太ももに押しつけて……誘ってるんだよね?」  なるほど。強盗でも詐欺師でもなくストーカーだったか。まさか平凡オブザイヤー毎年受賞の俺がかの有名なストーカーの決め台詞「ずっと見てたよ」を生で聞かされる日がくるとは。怖い助けて。
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