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* 「僕がどこまでできたら抱かせてくれる?」 「いきなりストレートすぎない?」  帰宅してから予想以上に真面目に勉強に取り組んでいる竜美。さっそくだけど優秀すぎてすでに教えることがない。 「付喪神になるときにすべての邪念を捨てたからね」 「悟りすぎじゃない?」 「僕がどこまでできたら抱かせてくれる?」  真顔で2回目きた。やっぱ怖いこいつ。 「じゃあ……T大医学部に合格したら?」  一教師としてはこれが最良の回答に違いない。 「わかった」 「……えっ?」 「もっと早く抱いてほしい?」 「……いやそういう意味じゃなくて。本当に目指すの?」 「当然でしょ」 「……はぁ。やっぱカッコいいなお前」 「え?」 「がんばれとか言うまでもなく、お前ならやり遂げるんだろうなって思う」 「……ありがとう」  おっ、なんか照れてる……? 「弘に言われるのが一番うれしい」 「……それは何よりだ」 「でもそろそろ終わりにして? 先生の顔」 「……え?」 「今日はここまで。頑張ったからご褒美ちょうだい?」 『今日はここまで』って……教師である俺がものすごく言いたかったセリフだけどね。 「……何が欲しい?」  あぁ、やばいな。微妙に絆されてきてるかも、俺……。 「弘に触りたい」 「……じゃあ……ちょっとだけな」  いや、ぜんぜん『微妙に』ではないな……。 「……っ、なんでいつもそこから触るんだよお前……」 「だって可愛いんだもん、弘の乳首」  乳首に対して感情を抱くなんて、やっぱりどうかしてるなこいつ。
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