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「好きだよ……弘」 「……ッ……」  いつもの余裕がない微笑みに、背筋が震える。反射的に竜美の体を押し返そうとした手はベッドにはりつけられ、腰に体重がかかる。 「逃げないで、弘」 「……怖い……たつみっ……」 「言ったでしょ? 僕はもともと怖いって」 「……っ……」 「……はぁ。ごめん。怖がってる弘も可愛いけど、無理やりしたいわけじゃないよ」 「……ちがう……」 「……ん?」 「……きもちよすぎてっ……こわい……」 「……」  竜美がまた見たことのない顔をしている。怒ってるような、泣いてるような……。 「ッぁ──!」  ずんっと腰がベッドに沈み、思考が途切れた。目の前がチカチカしてよく見えない。竜美の荒い呼吸だけが聞こえてくる。  ぼんやりと視力が戻ってくると、竜美はじっと目蓋を閉じていた。なんだか苦しそうなのが心配で、俺は震える手で竜美の頬に触れた。 「……た……つみ……?」  薄っすらと開かれた目に、涙がにじんでいる。濡れたまつ毛の下で瞬く瞳があまりに綺麗で、呼吸を忘れていた。 「っァ……──!」  いきなり身体を揺らされ、強烈な痺れが全身を駆けた。同時に竜美のものが存在を主張してきて、そこの苦しさに気がつく。 「……っン、……ッぁ……!」  竜美が中にいるのがはっきりわかる。それだけでおかしくなりそうなのに、竜美は俺の両脚を抱えて腰を浮かせ、角度をつけてきた。  熱い塊があの場所に当たる。そのたびに頭の芯まで痺れて、指先の感覚すらあやふやになっていく。 ……もう無理だ。これ以上は頭がおかしくなる。こんなことを普通にやっている世の中の奴らは、みんな狂ってる……。
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