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「今日から皆さんの仲間になる山田ユーシン君です。みんなー、仲良くなー」
我がクラスの女子生徒がこんなにもイキイキ&ギラッギラしているところを初めて見た。抱き枕のくせして身長185cmはありそうだし、なんだよあの制服を着ててもわかるナイスバディ。爆ぜろ。
当たり前のように俺の勤める高校に、しかも俺が担任するクラスに転校生として現れるというベタすぎる展開だが、俺にはツッコミスキルがないのでこのままスルーする。
「田中の隣に座れ」
「目が悪いので一番前がいいです」
「嘘つけ。田中の隣だ。レッツゴーさぁ行け」
「……わかりました」
「舌打ちやめろー前列女子ー」
「オレ視力8.0あるから席代わってやんよ」
「黙れー林ー」
「ふふ、ありがとう。はぁ……優しそうな人ばかりで安心した。都会は冷たい人ばかりだって死んだ祖母が言ってたけど、全然そんなことないや。よかった」
独りごと長っ。そして独りごとなのに視聴率100%かよ。俺の授業の視聴率は40%切ってるのに? イケメンの存在感もはや暴力。
「担任の先生も可愛……すごく優しくてみんなに人気あるんだろうなぁ」
「ないない。つーか存在感ゼロっつーかマイナスっしょ」
「西野ー、口を慎めー」
「ふふ、そうなんだ。まぁ僕には都合……僕にとってはいい先生だし、僕が独占しちゃおうかな」
こいつはいよいよ危険だ。外堀から埋めてくるタイプだ。
「遠野先生、僕転校してきたばかりで授業についていけるか不安なので、今日から毎日個人指導をお願いします」
「家庭教師のト◯イに頼めー」
「そりゃねーだろ遠野」
「教師の言うセリフじゃありませんね」
「呼び捨てやめろー」
チッ。さっそく周囲を味方につけやがって。イケメン怖い。
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