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* 「はあぁ……幸せ」  逞しい腕で背中を引き寄せられ、裸の胸板に頬が埋まる。いきなり大人になったくせにこの体はずるい。付喪神ってみんなこうなのか……? 「落ち着いたか?」 「……うん」 「ごめんな。言葉が足りなかった」 「うん、全然ね」 「……ごめん」  恥を捨てて昨夜の行為で抱いた感想を打ち明けると、竜美はようやく納得して死ぬのを思いとどまってくれた。曲がりなりにも神のくせに、まったく世話が焼ける。 「……ンっ……」  ナチュラルにキスされるの恥ずかしいな。昨日はさんざん……いや思い出すな。初めてなのにイってしまうくらい、竜美と繋がっていたところが今もじんじんと疼くくらい気持ちよかったなんて……。 「ねぇ弘……そんな顔ぜったい僕以外に見せちゃだめだよ?」  囁く声も表情も、これまで以上に甘い。たまらず視線をそらすとつん、と乳首をつつかれた。 「おはよう弘」 「……どこに向かって話しかけてるんだよ?」 「今日も可愛いね」 「ねぇ聞いて?」 「うん、僕の声でちゃんと起きてえらい」 「……っぁ」  指先で摘まれ、反対側を舌で転がされる。竜美に触れられるたびに痺れるような感じが増していくのは怖いけど、ちゃんと竜美を感じられているんだと思うと心地良くもある。 「そのうちココだけでイけそうだね」 「……は?」 「だってちょっと弄っただけでこんなにこりこりしてる……こっちもこんなになってるし」 「……ッ……」  竜美の指が触れた部分を見ると、すでに下着の色が変わっていた。恥ずかしいけど、そこは本能の言いなりにしかならない部分だしどうしようもない。
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