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「すっかりエッチな身体になっちゃったね、弘」 「……やめろ」  大人の声で言われると余計に恥ずかしい。 「昨日が初めてなのに、毎晩抱かれてたみたいにやらしい」 「無視するな」 「もしかしてこっちもうずうずしちゃってる?」 「ンぁっ」  こいつは本当に人の話を聞かない。 「うん、しちゃってるんだね」 「……っ……」  俺の後ろを撫でながら、竜美がうっとりした笑みで見つめてくる。……色気が追加された顔面がつらい。 「まぁ弘は昔から僕のこと大好きだから、僕とのセックスも大好きになって当然だよね」 「……もう黙れ」 「だって本当のことでしょ? 下着の上からでもわかるよ……僕のが『欲しい』って言ってるの」 「……っァ!」  竜美の言う通りかもしれない。昨日の今日でこんな風になるなんて、俺は昔から竜美のことが大好きだったのかもしれない……。 「脱がしていい?」 「……っ……」 「……いちいち聞くなって?」  その笑顔をやめてほしい……なんて言ったら弱点をさらすようなものだからやめておこう。 「脱がせてあげるから、弘が『挿れて』って言って?」 「……は? 絶対やだ」 「エッチしたいのは僕だけ?」  その悲しそうな顔も……アダルト付喪神もう無理。 「ほら、言って?」  いつの間にか下着を脱がされ、抱え込まれた脚の間に熱いものがあてがわれている。……えっ、ほんといつの間に? やっぱり神通力を使ってるなこいつ……。 「嫌だって言ってるだろ。変態」 「うん、弘のせいで僕は昔から変態だよ。今ごろ気づいたの?」 「……っ……」 「そんな僕を好きな弘もじゅうぶん変態でしょ? もう僕のこれが欲しくてたまらないんだもんね?」  こいつ……まさか俺に催眠術をかけようとしてるのか……?
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