変わった愛?

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変わった愛?

毒島紫苑(どくしましおん)、女性。 小さい頃に私の父は会社を経営していた。 だが、倒産して借金を作って出ていった。 酒癖が悪く暴力をふるう人だった。 でも父は紫苑と一緒に遊んだり誕生日プレゼントもあげたりお祝いもしてくれたのに… 優しく接してくれたのに… 母は父が出ていった事に、せいせいしていた。 母は水商売をするようになった。 男性を家に連れてくる。 色んな男性が家を出入りする。 男性達は夜に来て母は苦しそうな声をだす。(喘ぎ声だ) 母が苦しそうにしてるから、そっとドアを開けたんだ。 すると母は知らない男性とセックスをしていた。 紫苑は、それを見て、母が汚いもののように思えた。 母が連れてきた男性は母がいる前では紫苑に優しいが紫苑と男性だけになると暴力をふるったり、襲われそうになった。 そのせいで紫苑は男性恐怖症になった。 紫苑は母とコミュニケーションをあまりとってなかった為、どのように友達と関われば良いかも解らなかった。 だから紫苑は保育園の中でも1人で過ごし小学生になってもずっと1人だった。 家に小さい頃に買って貰った人形があった。 それが紫苑の友達だった。 紫苑は人形と会話が出来た。 『大丈夫かな?元気なさそうだよ』と人形達が話していると。 紫苑『うん。お父さん、借金作って家を出ていくし、お母さんは家に男性を連れてきて変な事してるの。それが気持ち悪くて。』 人形『そうなんだ。えっ?話、わかるの?』 紫苑『わかるよ』 それからというもの、紫苑は人形達と会話するようになった。 学校から帰ると。 紫苑『ただいま』と人形に話しかける。 人形『おかえり』 『おかえり』と言ってくれる存在が居て紫苑の心は、あたたかくなった。 いつものようにテーブルの上には夕食分のお金が置いてある。 紫苑が出掛けるようとすると 人形『私達も一緒についてってあげる』 紫苑は人形を持って夕食の御飯を買いに行く。 人形が一緒に居ると紫苑は誰かと一緒に買い物してるようで安心で楽しかった。 人形と家に帰ると 人形も紫苑の真似をして食べ物のオモチャを持って食べる真似をする。 小さい時しか誰かと御飯を食べたことがなかったので紫苑は涙が出た。 人形が恋の話もする時があった。 人形『私ね○がすきなんだ』 紫苑『へぇー、そうなんだ。応援するよ』 紫苑は人形が好きな相手ではない違う人形が気になるようになっていった。 その人形はカッコよくて優しい。 紫苑は恋の話をした人形に相談する。 紫苑『私ね。最近、△が気になるんだ』 人形『うん。応援する。なにすれば良いんだろう?』 紫苑『確かに応援するってなにすれば良いんだろうね』 紫苑は恋の話をした人形と○くんと△くんを持ってカラオケに行く。 カラオケに連れて行ってカラオケボックスの中に人形を並べて 人形が歌いたいと言った歌を入れてあげる。 その姿は周りから見たら異様で 『あの人、人形を椅子に並べて歌だけ入れて、誰も、うたってないよ』 紫苑には人形が歌ってきこえる。 紫苑が気になる人形『気にしなくても良いよ。言いたい人には言わせとけば良い。紫苑は紫苑だから』 言われることに苦痛に思えたがその一言で紫苑の気持ちは軽くなった。 紫苑は、それから人形を連れて出掛けるようになっていった。 紫苑は、紫苑の気になる人形に告白をする。 『好きです』 紫苑の気になる人形『僕も好きです。付き合いましょう』 2人は付き合うようになった。 付き合ってからも色んな所に出掛けるようになる。 母親が早く家に帰った時。 紫苑が人形に話すのを聞いて 母親『気持ち悪い』 紫苑はキレて。 紫苑『あんたの方が気持ち悪いわ。男をとっかえひっかえ家に連れてきてはセックスして』 母親『良い勉強になったでしょ』 紫苑『なんの勉強になってると思ってるの?あなたのせいで私は、こうなったのよ』 母親『どういう意味よ。一生懸命働いて育ててあげてるじゃない』 紫苑『色んな男を家に連れ込んでいやらしいことしてるせいで私は男性恐怖症になって人との関わりも怖くなったんだから』 母親『だったら私と一緒に居なければ良いじゃない、養護施設にでも行ったら』 紫苑は養護施設に行った。 養護施設に人形を連れて行った。 皆から『気持ち悪い』って言われた。 その度に人形達は励ましてくれた。 『私達が居るよ』と。 紫苑は高校を卒業した。 面接の予行練習を人形達がつきあってくれた。 面接の時もバックに見えないように人形を入れる。 面接して、どう言おうか戸惑った時に人形がこういうと良いよと助言してくれた。 就職先が決まり 養護施設を出て人形達とアパートで暮らしを始めた。 働くようになっても人形は連れていく。 見えないようにバックに入れて そのバックをロッカーに入れる ロッカーに人形達が居ると思うと励まされた。 ある日 紫苑と付き合ってる人形『結婚しよう』と言われる。 紫苑は人形と結婚式をした。 対物性恋愛は理解しがたい方も居るだろう。 いろんな愛の形があっても良いと思う。 人は愛して成長したり傷つくことで知ることもあるだろうから。
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