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3年4組のページ
瞬間、体中に稲妻が走ったように身体が反応した。電子レンジに焼かれるかのように、身体が高速に熱くなっていく。
訳が分からない。今ボクに何が起こっているかさっぱりだった。
いてもたってもいられず、さらにページめくりを加速させていく。
そしてすぐに、クラス別の写真へとたどり着いた。
順番に顔写真を見ていく。
3年3組までクラス別写真を見たが、ボクの姿は見当たらない。どんな子もまっすぐ前を向いて、キラキラと笑顔を向けていた。
机に置いてあった鏡を見ると、目がかなり充血しており、血の気も引いている。気づけば息も荒くなっており、汗も大量に吹き出ている。寒気も感じ、春らしい感覚も体中から消え失せていた。
視点をアルバムに戻すと、吹き出た汗が、無作為に笑顔の目元に滴っていた。もうこの泣き笑いの笑顔に用はないと、3年4組のページへと右手を動かす。
先ほどと同様に、顔写真を順番に確認した。充血した目で、写真を左から右へ、左から右へと追う。
そしてようやく、ボクに似たボクでない別人に見えた人物を発見した。写真の人物も、隣の女の子も、満面の笑みで笑っている。
その瞬間、体の中から全身の力が抜けたような気がした。呼吸も落ち着き、春風の音も聞こえ、桜の香りがまた鼻腔をくすぐった。寒気もなんとか治まったようだ。
安堵からなのか何かはわからないが、とりあえず落ち着いてよかった……
――――――ドタッ
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