序章

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20✕✕年 五月 美里は念願だった仙台へひとり旅に来ていた。 (色々な観光地を巡っていたら暗くなっちゃったな、そろそろ宿に帰らないと。) 雛菊が咲き誇っていた。 もう散り始めてもいい頃だが、それを思わせないほどに力強く咲いていた。 空には綺麗な三日月が浮かんでいた。 美里は時間を確認しようと鞄の中へ手を入れた。 しかし、手に触れたのはスマホではなく覚えのない一通の手紙だった。 不思議に思い、手紙を開こうとすると、 急に強い風が吹いた。 雛菊の花びらが舞い上がった。 そこにはもう、美里の姿はなかった。
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