4人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
20✕✕年 五月
美里は念願だった仙台へひとり旅に来ていた。
(色々な観光地を巡っていたら暗くなっちゃったな、そろそろ宿に帰らないと。)
雛菊が咲き誇っていた。
もう散り始めてもいい頃だが、それを思わせないほどに力強く咲いていた。
空には綺麗な三日月が浮かんでいた。
美里は時間を確認しようと鞄の中へ手を入れた。
しかし、手に触れたのはスマホではなく覚えのない一通の手紙だった。
不思議に思い、手紙を開こうとすると、
急に強い風が吹いた。
雛菊の花びらが舞い上がった。
そこにはもう、美里の姿はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!