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歩かされた死刑囚
デッドコン・ウォーキング!デッドコン・ウォーキング!
デッドコンって何だおい。
ヨーゼフのジジイ以下全てのダインクーガーの乗員が、俺の登城を囃し立てていた。
ちなみに、さっきまでイチャイチャしていた愛人は、ゴーっと音を立てて遠ざかっていった。
「死ねえええええええええええええええええええ!このクソロリコンが!」
「うるせえよジジイ!あいつ等上か?!行ったらああああああボケえええええええええええええええええええ!!!」
「酷い死に方晒せ変態!もう我慢出来ねえこれ食らっとけえええええええええええええええええええ!!!」
とりあえず、ジジイに率いられた連中が一斉に殴りかかってきたんで、自分でもよく解らない、何とかホールデンみたいな雄叫びを上げて乱闘騒ぎに発展した。
あー痛かった。頭の出血はもう止まっていた。
めっちゃスパナで殴られた。
最後まで残ったヨーゼフをノックアウトするのが大変だった。
俺のアッパー食らって吹っ飛び、頭から落ちてグシャアって音立てたのに、「まだやれるわ食らええええ!」ってのが5回くらい。
ルール変えんとホントに。
レフェリーって必要なんだなあって思った。
拭き忘れた鼻血を拭いて、俺は城主の部屋に入り、
「おわあああああああああああ?!」
いきなり奥さんに斬りかかられた。
「平等条約無視?!きいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「危!ま、待って!待っててば!待ってって言ってるでしょおおおおおおおう?!アリエール!元気?!」
「改めてフランチェスカから話聞きましたわ!きいいいいいいいいいいいいいいいい!不実な夫は爆裂を食らいなさいまし!」
「あばあああああああああああああああああああああん!!」
フーフーと荒い息を立てた美人2人に、俺は殺されようとしていた。
「ね?言ったでしょ?彼こう言う人よ。浮気ばっかりで帰ってこないのよ。だから!離婚するしかないのよ!死ねあんたはあああああああ!きいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
矢鱈と振り回される必殺剣。乱発された爆裂魔法。
完璧すぎるコンビネーションを必死に掻い潜り、聞く耳持たない美人2人が落ち着きを取り戻すまで、壮絶なデッド・オア・アライブをさまよい続けることになったという。
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