13.永遠の誓いを

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執務室に着いた僕達はアデルバード様からアデレードの処罰が下されるのは2週間ほど後になると聞かされた。 まだ帰ってきたばかりなのに、もう日時が決まっているのかと驚いたけれど、相手側が早急に対応して欲しいと申し出てきたそうだ。 「良くて平民落ち、悪くて死刑だろう」 「……アデレードは今どこに?」 「牢に入れられているよ。ロペス公爵と夫人も関与しているとわかって、逃げようとしていた所を捕縛したと連絡が入った」 「そう、ですか……」 あっという間に何もかも終わってしまうのだなと思わずには居られない。 「リュカはどうするか決めたのかい?」 ちらりとシシィのことを見たアデルバード様に僕は小さく頷いて、自分の決めたことを話した。 その間彼は何も言わなくて、僕が話し終えてからもリュカが決めたのならそうするといいって言ってくれた。 「主の期待を裏切るマネだけはするな」 「……はい、陛下」 アデルバード様の言葉にシシィがしっかりと返事をして、お辞儀をした。 「話は以上だから部屋に戻りなさい」 アデルバード様にそう言われて、僕達は執務室を後にする。その途中でアデルバード様に後から部屋に来るように言われて、僕は小さく頷いた。 自室に戻りながら、牢にいるアデレードのことを思い浮かべる。 きっと彼なら大丈夫。 そう思いたい。 平民になれば貴族のしがらみもなく自由に生きていけるはずだ。ずっと公爵家で暮らしてきた彼には辛いことかもしれないけれど、それでも命さえあれば、生きてさえいればどうにでもなると信じたい。 「少し眠くなってきちゃった」 疲れが溜まっているのか、欠伸が出そうになってそれを何とか噛み殺す。 「陛下のお部屋に行く時間までお休みになられますか?」 「……そうしようかな」 少し考えてから、シシィの言葉に頷くと直ぐに準備致しますって返事が返ってきて、僕はそれにありがとうって返した。 部屋に戻ると、寝間着に着替えてベッドへと横たわる。 柔らかなシーツに皺を作りながら、何度も寝返りを打って、結局仰向けになった僕は天蓋に象られた星模様を見つめながら願い事をする。 「どうか、アデレードが幸せになれますように」 もう、彼とは関わることは無いけれど、これくらい願ってもバチは当たらないだろう。 どんなに突き放しても、どんなに嫌いでも、結局は彼への情は捨てきれなかった。 僕はそっと目を閉じて、最後に握った彼の手の温かさを思い出した。
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