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ゴクリと喉を鳴らして何とか緊張の糸をほぐそうと試みてみるもののそれは中々上手くいかず、逆に更に意識して緊張が増した気がした。
「緊張してるのかい?」
アデルバード様がくすりと1つ笑みを零す。
その色気の漂う笑みにドキリと胸が音を立てた。
結婚したということは初夜があるということだ。
儀式を終えるまではすっかり忘れていたけれど、それを目前にして有り得ないくらいの緊張と恥ずかしさが僕を襲っていた。
「大丈夫。リュカは私に身を預けてくれればいいからね」
そう言ってアデルバード様が僕にキスをしてくれる。それを受け入れながら、今から行う未知の体験に不安と期待を膨らませてしまう。
「髪が短くなって雰囲気が少し変わったね」
「ん……変ですか?」
「長くても短くても似合っているよ」
そう言って髪をさらりと掬ってそこにもキスをしてくれる彼の頬に自分からもキスをする。
ゆっくりとベッドへと倒されて、シーツに乗せられていた花がふわりと宙を舞った。
初夜にはこうやってベッドに花弁を乗せておくのがシュヴェエト流らしく、色とりどりの花々とその香りに包まれて少しだけ緊張がほぐれた気がした。
「愛しているよ」
「僕も……愛してます」
肌着が脱がされると、ヒヤリと肌が外気に触れて少しだけ身震いする。
綺麗だねってアデルバード様が僕の肌を撫でて、そのくすぐったさに身を捩った。
アデルバード様も服を脱ぐと、鍛え抜かれた上半身が顕になって、釘付けになってしまう。そっと、彼の腹筋に手を当てるとアデルバード様が僕に笑いかけてくれた。
「くすぐったいよ」
「ご、ごめんなさい」
慌てて手を離す。
「リュカ、舌を出してごらん」
「……んっ」
言われるまま舌を差し出すと、そこに彼の舌が絡められて、卑猥な音を鳴らしながらお互いの唾液が混ざりあっていく。
空いている彼の手が僕の全身をまさぐって、与えられる快感一つ一つを僕はしっかりと刻み込んでいく。
彼に触られる度に、僕の奥の方からぐつぐつと煮え滾るような快感が溢れ出してきて、アデルバード様の首に縋り付いてその熱を発散させようと試みる。
「好きなだけ声を出していいから、我慢しないで」
「あ、んん……」
僕の下半身にアデルバード様が手を伸ばして、そっと触れられると、それだけで甘い声が漏れて彼が欲しいって既に下半身は濡れ始めていた。
気持ちよくて、ふわふわするような感覚。
沢山手でイカされて、その度にあられもない声を出して。彼の指が僕の中に呑み込まれると、我慢できずに精を吐き出した。
思わず出る声が恥ずかしくて、アデルバード様の唇に自分から吸い付いて自分の声を遮断して、それでも漏れてしまうくらい乱れる。
「リュカずっと君を抱きたかった」
「アデルバード様っ」
アデルバード様の色気たっぷりの余裕の笑みを下から見つめながら、本当に好きだと改めて思う。
長い銀の髪をそっと掬って、彼がいつも僕にしてくれるようにそこにキスを落とした。
こんなこと、こういう時くらいしか恐れ多くてできない気がするから。
「アデルバード様、愛してます。はやく貴方が欲しいっ……」
彼に嫁いでくる時、こういう日が来ることは分かっていた。
それでも、あの時は彼はアデレードのことが好きだと思っていたから、義務的に抱かれるだけだろうって色々なことを諦めていた。
けれど、彼は今、僕のことを求めてくれている。
だから、それがたまらなく嬉しくて、幸せで、ずっとずっと今のまま愛し愛される関係で居続けたいと強く思った。
「入れるよ」
「はい……」
ゆっくりと彼が僕の中に入ってくる。
やっと彼と1つになれた。
そんな気がした。
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