夢が叶う喫茶店

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夢が叶う喫茶店

あなたの夢は、何ですか? 国宝麗香(こくほうれいか)22歳。 家はお金持ちで父が会社を経営してる。 でも麗香は父の会社を継ぐ気はない。 麗香には兄が居るから きっと兄が会社を継ぐ。 料理が好きで料理専門の高校に行って大学では経済学を学んだ。 料理の腕が落ちるのが嫌だったから大学に通いながら飲食店でバイトをしていた。 麗香が休みになるとおばあちゃんがいつも喫茶店に連れていってくれる。 麗香は、喫茶店が好きになった。 おばあちゃんは麗香の事を可愛がってくれた。 母に叱られて、おばあちゃんの部屋に行くとおばあちゃんは何も聞かず。 お団子とお茶を出してくれた。 おばあちゃんの何気ない優しさが好きだった。 そんな、おばあちゃんも最近、亡くなった。 麗香は喫茶店を作りたくなった。 昔ながらの暖かい、みんなの憩いの場の喫茶店を作りたかった。 麗香は喫茶店を作ろうと思い、何処でやろうか調べたり、コーヒー豆は何処が良いか、飲み物や食べ物についても何が良いか、価格設定は、どうするか、店員さんは雇おうか、色んな事を考えて決めて、 麗香は喫茶店を完成させる。 お金は父親に払って貰った。 麗香は昔、行った場所でノートが置いてあったのを思い出した。 そのノートには、『ここに来ました』などと書いてある。 そんなノートを置いてみた。 喫茶店に来るお客さんは最初は少なかったけど口コミで多くなっていく。 麗香はノートが気になった。 ノートを見てみた。 最初は『○月○日何時に○が来ました。○が美味しかった。店員さんも優しい方で、また来たくなった』やクレームも書いてあった。 見ていくうちに途中で書き込みが変わってくる。 『○月○日何時に来た。○です。私は妊娠したいです。どうか叶いますように』 急にお願い事の書きこみがあった。 麗香はビックリした。 その後の書き込みがお褒めの言葉やクレームの中に、また新たなお願い事がかいてある。 徐々にお願い事を書く率が多くなっていった。 お客さんの話が耳に入る。 『ここに来ると願い事が叶うって聞いて来たんだよね。ノートに書くと良いらしいよ』 始めに願い事を書いた人はというと。 結婚して妊娠したい。30歳、小林向日葵(こばやしひまわり) 子供が欲しかった。 テレビで、赤ちゃん産まれましたという番組を観たり産婦人科に行って妊娠してる人を見たり、1ヶ月検診で赤ちゃんを見かけると心苦しかった。 タイミング法をやっても人工受精をしても体外受精をしてもダメだった。 向日葵にも主人にも異常は見つからなかった。 子宝神社にも行った。 それでも授かる事が出来なかった。 喫茶店に行ってノートがあって 思わず、『妊娠しますように』と書いてしまった。 それから1週間後に 妊娠検査薬で薄く陽性反応が出た。 主人に向日葵は 『妊娠検査薬、薄く陽性反応出たよ』 主人『本当だ。でも薄いから…1週間後にまた検査してみたら』 1週間後にもう1回、妊娠検査薬をやると 今度は陽性の反応が濃く出た。 産婦人科に行くと『妊娠してます』と言われた。 産婦人科に通う事になった。 病院から妊娠届出書を貰い 保健センターで母子手帳を貰った。 母子手帳の絵柄がディズニーで可愛かった。 お腹の中ですくすく赤ちゃんは育っていった。 赤ちゃんが産まれてきてた時に必要な物をいっぱい買った。 ベビーベット、ベビーカー、ベビーシート、哺乳瓶、哺乳瓶洗い、オムツ、お尻ふき、赤ちゃん用のお風呂などや大量の服を買ってしまった。 出産の時がきた。 お腹の中に赤ちゃんが居る時は辛いこともあったけど楽しみでしょうがなかった。 出産する時も痛かったけど赤ちゃんの顔を見たら達成感と高揚感に浸っていた。 1週間、赤ちゃんと入院する。 寝不足なのが辛かったけど赤ちゃんのお世話は楽しかった。 家に帰ってからも赤ちゃんの世話をする。 家事は母が手伝ってくれた。 赤ちゃんは生後1ヶ月になった。 赤ちゃんを連れて、願い事を書いた喫茶店に行く。 ノートに『○月○日に願い事を書きました。それが叶いました。ありがとうございました。』と書いた。 17歳の少女、崎本冴子(さきもとさえこ)は 思い悩んでいた。 中学生の時は成績優秀で学年で10番には入っていた。 高校の時に進学校に入り1年生の時は、なんとか必死に勉強して中学生の時の順位より、だいぶ下がったけど成績は丁度、真ん中だった。 高校2年生になると勉強が悪くなり順位が下がっていく。 母親『何やってるの?勉強の仕方が悪いんじゃないの?』と言われる (こんなに頑張ってるのに解ってくれない)と冴子は思う。 そんな時に入った喫茶店。 そこにノートがあり気になって見てみる。 小林の書いた『叶いました。ありがとうございました。』という文字が目に止まる。 小林が書いた、願い事を探した。 小林さんの願い事が何かが解った。 (小林さんが叶ったなら私も叶うかも)と思った。 冴子は『○大学に受かりますように』と書いた。 その日から冴子は勉強の内容が解るようになった。 テストの点も良くなり 先生にも両親にも褒められた。 通知表にも差が出ていた。 喫茶店に行く前は通知表の5段階認定の全教科2だったのに全教科5になった。 模試も、行きたい大学の合格ラインに入っていた。 合格祈願を神社でお祈りして、お守りを買った。  入試当日、体調は、バッチリだし試験にも自信があった。 入試の試験が始まるテストは、全部、わかり、 シャープペンシルがすらすら動いた。 合格発表の日が来た。 合格しているか大学に見に行く。 合格していた。 冴子は母親にすぐ連絡する 『合格したよ』と 学校にも連絡をして 願い事を書いた喫茶店に行ってお礼を書いた。 大学3年生、名取哲星(なとりてっせい)、男性。 就職活動中、なかなか見つからなくて10社受けたのに採用されない。 喫茶店によってみる。 ノートを見て冴子の書き込みを見る。 哲星もノートに『就職先が見つかりますように』と書く。 いつも書く履歴書とは志望動機、趣味・特技に違う文章を書いた。 面接でも自分らしく自分の良いところをアピール出来た。 結果は電話があり採用だった。 哲星が就職したのは小学校の先生だった。 最初は副担任だった。 担任を支える。 哲星は、子供達が言うことを聞いてくれるように必死だった。 先生や親御さんとの接し方も難しく、どう関わって良いか解らなかった。 担任の先生が優しく教えてくださった。 それから違う小学校に転勤もする。 色んな生徒や先生や親御さんに出会い、どう接するべきかを学んでいった。 3年後 哲星は1年生の担当していた。 教育実習に来た冴子が来た。 哲星は冴子の顔は知らない。 でも名前に見覚えがあった。 哲星は思い出す。 "あの喫茶店に書いてあった名前だ" 冴子は哲星を顔も名前も知らなかった。 (哲星の前にノートに書いた為に知らない) 冴子は教育実習を1ヶ月おこなった。 冴子は哲星が励ましてくれたり優しく教えて下さるので良い方だなと思っていた。 哲星は冴子を勉強熱心で純粋で素直で良い方だなと思う。 教育実習が終わると2人は会うことはなかった。 1年後 冴子は教育実習の場所が就職先となった。 哲星と冴子は仕事先が一緒となる。 冴子『またよろしくお願い致します』 哲星『よろしくお願い致します』 冴子は哲星の副担任になった。 子供の事や親御さんの事を話し合ったりした。 そのうちにプライベートの話もするようになった。 哲星は、ふと、 喫茶店の話をした。 『喫茶店に行ってノートを見たら崎本さんの名前があって俺も名前を書いた』 冴子『どんな願い事を書いたんですか?』 哲星『就職先が見つかりますように』と 2人は、あの喫茶店に行くことにした。 哲星はノートに『彼女が出来ますように』と書いた。 新年会をやった。 哲星は幹事をする事になった。 幹事の準備で頭を抱えていると 冴子『お疲れ様です。どうされたんですか?』 哲星『幹事を任されたんだけど、何処にすれば良いか迷ってて』 冴子『それなら良いところがありますよ。下見に一緒に行きますか?』 哲星は冴子と新年会の場所の下見に行った。 2人とも満足した。 ここなら自信を持って新年会の場所を紹介する事が出来る。 新年会が始まり 哲星は緊張しながら司会をした。 周りに溶け込めてない方に声をかける。 同僚達は、お酒を飲んで酔っ払った。 それぞれタクシーを呼んであげる。 冴子だけが寝てしまっていた。 哲星は会計を済ませて 冴子と一緒にタクシーに乗って家まで付き添う。 冴子の母『すみません。ありがとうございます。今後とも宜しくお願いします』 冴子は申し訳ない気持ちになり哲星に 『申し訳ないです。何か奢らせて下さい』と言う 2人は仕事帰りに居酒屋に行く 哲星は冴子がトイレに行ってる間にお会計を済ませた。 冴子『せっかく奢ろうと思ったんですけど…』 哲星『それは申し訳ないよ。今度、弁当でも作ってくれる?』 冴子『良いですよ』 冴子は哲星に弁当を作った。 哲星は冴子の弁当が美味しくて (奥さんになってくれたらな)と思った。 哲星『美味しい!結婚しよう』 冴子『それは早いです。付き合いましょう』 それから2人は色んな所にデートに行った。 1年が過ぎ 哲星は喫茶店に行ってノートに 『冴子と結婚できますように』と書こうとする。 そしたら急におじいさんが現れ 周りは止まっていて暗くなるが おじいさんだけにスポットライトが当たってるようだった。 おじいさん『ちょっとノートに願い事を書きすぎなんじゃよ。哲星は、もっと自分でどうにかしてみたら』と言われた。 哲星『結婚っていつ頃にしたい?』 冴子『30歳までにはしたいかな』 哲星はプロポーズをどうしようか考える。 哲星は冴子と旅行に行く。 そこは星空が綺麗な場所だった。 哲星『結婚してください』 冴子『宜しくお願いします』 そこには指輪は、なかった。 後で準備する事となる。 冴子は結婚しても教諭を勤める。 担任を受け持つことになった。 生徒の中で活発で優しい男の子がいた。 その子の母親は小林向日葵だった。 冴子は『○喫茶店って知ってます?』 小林『はい』 冴子『そこで小林さんの書き込みを見て私も『大学に受かりますように』って書いたんですよ。そのお陰で今があります。ありがとうございます。』 小林『いえ。私のお陰ではないですよ。不思議なノートですよね。夢が叶うノートですね。』 END
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