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「俺のも、触ってくれる?」  手のひらに口づけ、安曇の手を脚のつけ根に導く。須永のものは腹につくほど反り返り、ドクドクと脈動していた。張り出した傘に、浮き出る血管。ともすればグロテスクにも見えるそれが、たまらなく愛しく思える。 (ノンケのくせに、本当に俺の体でこんなになってるのか?) 「一緒にしよっか?」 「……うん」  ベッドの上に膝立ちになり、一まとめにした互いの竿を手のひらで擦り立てる。硬いもので裏筋を刺激され、強弱をつけながら扱かれて、ガクガクと腰が震えた。 「んっ! はあっ……だめ、も、出る……っ」 「いいよ、出して……」 「ひあ……あ、ああっ……!」  親指で先端の割れ目を穿られると、ひとたまりもなかった。  鋭い快感が全身を貫き、視界が白く弾ける。腹が濡れる感触がして、フッと下肢が軽くなった。  ふわふわとした浮遊感が去ると、途端に不安になる。こんなに呆気なく達してしまうなんて、須永は呆れただろうか。いや、それだけならまだいい。大の男が感じている姿を見て、引かれてしまったかもしれないと思うと、快感の余韻に震える体とは裏腹にみぞおちの辺りが冷たくなった。 「ごめん、その、俺だけ……」  俯いてぼそりと謝罪を口にする。すると腰を強く抱かれ、再びベッドに押し倒された。 「渉くん?」 「俺、碧さんが好きだよ」  いきなりのストレートすぎる告白に、安曇は目を丸くする。からかわれているのかと思ったが、須永の目は真剣だった。 「突然、何? どうしたの?」 「これまで恋愛っぽいことはたくさんしてきたけど、碧さんへの気持ちが多分一番……愛、に近いと思う」  思い詰めたような顔で告げたかと思うと、安曇から視線を逸らし、手のひらで顔を覆う。  耳から項が赤い。照れているのだ。 「学生の分際で愛とか、自分でも何言ってんだろうって思うけど、碧さん見てたらなんか無性に伝えたくなって……。引いた?」 「……引くわけない。うれしいに決まってる」  今度は自分から手を伸ばし、須永の首に腕を絡ませる。  不安なのはきっと須永も同じだ。自分も彼も、初めての感情に振り回されている。 「さっき俺とこうなることを想像したって言ったよね? 他にどんなことを想像したの?」  伸び上がって下唇を食みながら、唆すように問う。すると須永の喉があからさまに上下し、熱い手のひらで安曇の胸に触れた。 「んっ――」 「かわいくおねだりされて、碧さんが気を失うまで俺ので何度も奥を突いた」 「俺が気を失うまで?」 「失ってからも」  指で尖りを捏ねながら、須永が陶然と呟く。無意識なのだろう、腰が前後に揺れていた。  安曇は小さく息を吐くと、片足を持ち上げて自ら脚を開いた。腹を濡らした体液を指に取り、奥まった場所にそろりと指を埋める。 「碧さん?」 「――ここに渉くんが欲しい、もう待てない」  かわいくなんてどうすればいいのかわからない。だから安曇は自分のしたいようにした。  須永が息を呑み、ナイトテーブルに手を伸ばす。恥ずかしい横浜土産を手に取り、キャップを開ける。 「想像よりエロいって、どういうことだよ。碧さんってば、反則」 「渉くんがそうさせるんだよ。もう黙って。早くおいで」
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