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土下座
豪鬼はお茶をかけられた顔を上げると、その場でしゃがみ込んで土下座をする。
そう。
わがままで独善的、そして暴力でしか返してこなかった豪鬼が、まさかの土下座をしたのである。
その理由は単純だった。
豪鬼はこの店が好きになっていたのである。
今ではこの店で働く事自体が、彼の生きがいといっても過言ではない。
だからこそ、自分のミスで店長や店に迷惑をかけるわけにはいかない。
プライドなんて、とうの昔に捨てた。
今の彼にとって、土下座なんて大したことではない。
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