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この店の誇り
しかし誠は、そんな奴らは無視して豪鬼に話す。
「豪鬼、立て。よく我慢した。お前は店の誇りだ。」
豪鬼はその言葉に目を丸くする。
いつも厳しい事しか口にしない誠から、思いもよらない言葉を受けたからだ。
一方、無視されていた鬼たちは更に激昂する。
「何くっちゃべってんだよ! この店潰してやんよ! コラ!」
その鬼は座っていた椅子を持ち上げると、それを投げつけ、店を壊そうとし始めた。
そして誠は……キレた!
暴れた事にではない。
豪鬼に土下座をさせた事にだ。
「お前らのようなクズになぁ、豪鬼の土下座の価値はねぇんだよ! こいつの価値はそんなに安くねぇ!」
その瞬間、突然クズ鬼達の足が凍り始める。
「冷た! なんだなんだ!!」
「痛てぇ! 冷たくて痛てぇ!!」
クズ鬼達は極寒の冷気に冷やされると、あまりの痛みに叫んだ。
そう、何を隠そうこの誠という男。
元は鬼の国最強とも呼ばれた鬼人だったのである。
鬼人のみが宿す精霊の加護。
その力は、どれも規格外。
そして誠の持つ精霊の加護は氷。
氷の力を自在に操る誠の前では、目の前にいる鬼達など虫ケラでしかない。
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