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「ツムギ・・・その、これは・・・」
言い訳をする前にツムギの方が先に口を開けた。
「なぁ、ハヤト
この花、俺がもらっていいか?」
「・・・・・・・・・え・・・・?」
突然すぎたその言葉に僕はうまい答えを導けずにいた。
「・・・なんの・・・ために・・・・?」
ようやくした返事は情けないほどに間抜けていた。
もしかして、これをクラス中に言いふらすつもりなんだろうか。
その証拠として、この吐き出した花がほしいと言うのだろうか。
悶々と考えていると
「俺が食べるから」
そんな予想外の返事があった
淡々としたその言いっぷりに、僕はツムギの言葉を咀嚼していた。
ようやくその言葉を飲み込めた時、ただ僕は混乱していた。
花を食べる!?しかも水仙を!?ツムギが!?
訳がわからない。
ツムギはそんな僕を見て、「ああ、そうか」と妙に納得したような顔をしていた。
そして、
「言ってなかったな
俺、花しか食べれないんだよ」
と、いつも休み時間に昨日あったことを話すかのように言った。
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