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更に酒が進むと、自分の理想やもともと作家になりたかった昔話まで、ベラベラと赤裸々に語ってしまった。結局文才が無くて編集になった事や、作家の手伝いに生きがいを見出している事も全て。
まあ、酒の席で語った事だから、どこまで彼が覚えているかは解らないが。
とにかく楽しく語り合う事が出来て、随分出来上がった状態で家に帰った。いい気分だった。
初めて宴会帰りにコンビニへ寄って、からあげ弁当を買わずに済んだ。親睦会では、西島さんが俺の皿にも好きなおかずを取り分けてくれて、好きなものを沢山食べられたのだ。二次会も行ってたらふく飲んだから、お陰で満腹だ。
彼女が俺に声をかけてさりげなく輪に入れてくれたから、みんなと楽しく打ち解ける事が出来た。入社して以来、初めての事だった。俺みたいな根暗な人間にも気さくに話しかけてくれるなんて、彼女はいい人だ。
綺麗なのにそれを鼻にかける事もなく、誰にでも分け隔てなく優しくしてくれる女性。
西島さんの事を考えると、ほんの少し心が温かくなり、トクンと心地よく波打った。
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