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屯所に来たならば
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新選組屯所。そう達筆な字で書かれた看板を眼前に私は言葉を失った
「凄い…!」
谷三十郎はそんな私の横をスっと通って屯所の門をくぐり抜けていく。
慌てて私は後を追った。
「お疲れ様です!!」
私の方をちらりと見ながらも谷三十郎に挨拶をして通り過ぎる隊士達。
私はぶつからないよう気を配ってちょこちょこと谷三十郎の後をついて行った。
と、前方から今まで通りすがった隊士達とは雰囲気の変わった人がやって来た。
「あ、左之助。」
先に声をかけたのは谷三十郎の方だった。
「ん、あ、…それは?」
お疲れ様ですの一言もなしに、その男、原田左之助は私の方を指さした。
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