屯所に来たならば

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「嫌ですよ!!!!!!」 私は谷三十郎に掴まれていた手首を振り払い、飛び退いた。 私はショートボブのため、女だと分かりづらかったのだろうか。だとすると私が女だと気づいた原田左之助は何が決め手で分かったのだろうか。 様々な思考が脳裏を巡る。 「ね、だからほら早く奉行所に預けて…」 「いや、騙せるんじゃないか?」 谷三十郎がニヤニヤと笑いながら言う。 「あ、この人もう楽しんでる…」私はそう思ったが、男の振りして屯所潜入というのはテンプレのひとつなので流れに身を任せることにした。
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