春の終わり

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「この3年、身を焦がすような思いをしていたのは風磨だけじゃない。オレだって風磨に会いたくて、触って欲しかった。こんなものまで買って、風磨を思って一人でしてたんだからな」 ぎゅっと腕に力を入れると、風磨の身体がびくりと揺れる。 「こんなエロい身体にした責任、取れよ」 こんなこと、このオレが言う日が来るなんて思わなかった。心臓が口から出そうなくらいバクバクしている。でもそれと同じくらい、風磨の胸の鼓動も早い。 早く何とか言えよ。 なかなかリアクションが返ってこない風磨に不安になって、もっとぎゅっと抱きつくと風磨がようやくオレの背中に腕を回してくれた。 「それ・・・それはつまり、二千翔もオレのこと・・・?」 少し呆然とした声で風磨が訊いてくる。 「だから察しろ」 「恋人はいない?」 「人間のはな」 「ここを柔らかくしたのは?」 「2号さん」 そう言ったら、密着している風磨の腰がぐんと固くなる。 何を想像したのか・・・。そう言えば風磨はこの3年、あの動画を見ながら頭の中でオレとしてたんだっけ。そりゃ想像力も逞しくなるわな。 おそらく風磨の頭の中ではオレが2号さんを使って自慰してる姿が浮かんでるんだろう。 「責任・・・取ってくれるだろ?言っとくけど、さっきのは一方的過ぎてノーカンだからな」 風磨に煽られて、満足してたはずのオレの身体もむずむずして来る。 オレは風磨に抱きついたまま後ろに体重をずらす。するとそれに気づいた風磨が優しくそのままベッドにオレを沈めた。 ドキドキとうるさい鼓動はどっちのものなのか・・・。 3年前は毎日のようにしていたのに、まるで初めてのように緊張してくる。 覆い被さるのように上からオレを見ていた風磨の顔が、ゆっくりと近づいてくる。その目を見ながら、オレはその目を閉じた。 やさしく触れる唇。 柔らかい風磨の唇の感触に、オレは両手を首に巻き付けて自分からも合わせていく。 ずっとして欲しかった。 他のことは代用品を使って風磨にされてるように出来たけど、キスだけは無理だった。いくら想像しても、これだけは一人じゃ出来ない。 一度離れそうになる唇に、オレは噛み付くように深く合わせる。そんなオレにうれしそうに笑って、風磨がオレの欲しいように舌を絡めてくる。 キスだけで、オレたちは長い時間を過ごす。 だけどもっとしたい。 だって、ずっとしたかった。 ・・・ずっとして欲しかった。 どれくらいそうしていたのか、舌が痺れて唇がじんじんする。それにキスで昂った身体が熱くなって限界寸前だ。 キスだけでイキそう・・・。 さすがにお互い唇を離し、オレは首に巻き付けた腕も解いて再びベッドに身を沈めた。そんなオレのシャツのボタンを外し始めた風磨は、ふとキャビネットに視線を向ける。 「2号さんと3号さん・・・1号さんは?」 それ、気になる? 気になるか・・・。 ボタンを全て外しながらもシャツはそのままに、今度はズボンを脱がす風磨にオレは腰を上げて手伝う。 下も脱がされシャツ一枚になったオレは起き上がって、今度はベッドに座る風磨のベルトを外しにかかる。そして前を寛げて飛び出す勢いで勃ち上がる風磨の昂りを両手で握る。 風磨の、初めて触った。 ずっとオレにするだけで、触らせてもくれなかったそこはすごく熱くて太く、なめらかな肌触りで弾力がある。 想像よりも柔らかかったな・・・。 初めて触ったからだろうか、そこはビクンと震え、大きさを増す。 自分にも同じ物がついているとはいえ、なんだか可愛く見えてしまう。無意識に口元を緩ませながら、オレはそこに顔を近づけた。 「1号さん、初めまして。いただきます」 本当は『初めまして』では無いけれど、こうやって面と向かったのは初めてなので、オレはそう挨拶した。そして大きく口を開けて、握ったそれをぱくんと咥える。そのいきなりのオレの行動に風磨が焦ってオレの頭を掴んだ。
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