春の終わり

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「ひっ・・・っ」 初めから容赦ないその挿入に、身体が後ろにずり上がる。けれどそれを許さない風磨はオレの腰をがっちり掴んだ。 「あっ・・・まって・・・オレ・・・イったばっか・・・ぁ・・・」 ガンガンと激しく打ち付けられる腰に、イったばかりで萎えるはずのそれはその間もなく固さを増す。 「あ・・・ぁ・・・また・・・また・・・くる・・・」 余韻もなく襲ってくる激しい快感の波にオレの身体は硬直し、中の風磨を強かに締め付けた。 「うっ・・・」 ぐっと深く身体を沈ませた風磨と、オレが白濁を放つのは同時だった。 きゅーっとなる下腹部の奥に熱い迸りを感じる。 一緒にイケた。 それがうれしくて口許が綻ぶオレとは反対に、風磨は悔しそうな顔をする。 「もっと二千翔を啼かせたかったのに、あんなに締め付けるなんてずるい」 そう言いながら、風磨が抜くことなくそのまま腰をリズミカルに突いてくる。その場でとんとんするだけだから中を擦られたりしないけど、奥を細かく突かれて変な感じがする。 なんか・・・また・・・。 まだ快感の余韻でじんといている中が何度も刺激されてじんじんしてきた。また何かが奥底から湧き上がってくる。 風磨もイったばかりなのに・・・。 腰をとんとんしながら、風磨の息も熱を帯びてくる。 「すごい・・・中がうねってる・・・」 吐息混じりにそう言うと、風磨は腰を大きくグラインドさせる。その決して激しくない動きは中をゆっくりかき混ぜ、オレを再び快感の渦に巻き込んでいく。 そこからはもう、あまり覚えていない。 第2ラウンドが始まり、風磨に激しく身体を揺さぶられながら何度も達して、何度も受け止め、そして声が枯れるまで啼かされ続けた。そして気がつけば、オレはお風呂の湯の中に、風磨を背に浸かっていた。 「オレ、寝てた?」 ぼやっとする意識のなかで訊くと、風磨が耳元に唇を寄せる。 「目は開いてたけど、意識は飛んでたよ」 かかる吐息に敏感になっている身体がビクビクする。 「またする?」 耳朶を食まれる。 だけど・・・。 「も・・・無理・・・」 身体が泥のように重いし、腰から下はもう感覚がない。 オレはくてっと湯の中で身体を弛緩させて風磨に寄りかかる。 「それは残念」 大して残念がってない口調でそういう風磨は、そのまま耳の裏を小さく口付ける。 「オレ、責任取れた?」 ちゅっちゅっと小さく啄みながら、風磨が上機嫌で訊いてくる。 「・・・今日はね」 その言葉にキスが止まる。 「この身体が元に戻らない限り、責任は取り続けてもらうから」 そう言ってオレは後ろ振り向き、風磨とおでこをくっつける。 「一生、責任を取るよ」 すごくうれしそうな顔でそう言うと、風磨はそっと口付けた。 「一生なんて言ったら後悔するぞ」 触れるだけで離れた唇に、オレはまた前を向く。 「これからまだどんどんエロい身体になるのに、一生かけないと責任取れないよ」 そう言ってさわさわと湯の中でオレの腹を撫でる。 「それにオレたち、3年もお互いに忘れられなかったんだよ。それってもう、離れるのは無理ってことだろ?だからもう、離れない。一緒にいる」 撫でてた手がぎゅっとオレを抱きしめる。その心地よい感触に、オレは全ての身を委ねる。言葉にしなくても思いは同じ。そんなオレを抱きしめながら、風磨がふふっと笑う。 「あんなにかわいい二千翔を見せられたら、手放すなんてできないしね」 目を閉じてゆったりと幸せを噛み締めてたオレは、その言葉に目を開ける。 かわいい? 「オレ、なんかした?」 後半全く覚えていないオレは、何かやらかしたのかと青くなる。 「ん?ひみつ」 なのににやにや笑って風磨は教えてくれない。 「なっ・・・」 一瞬疲れを忘れて風磨に掴みかかるも、風磨のにやけ顔に戦意喪失。その途端身体の重みに再び襲われ、オレはぐったり風磨にもたれかかった。 もういいや。 なんか風磨嬉しそうだし、そんな変なことじゃないだろう。それより・・・。 「眠い・・・」 疲れ切った身体は限界を迎えたようで、オレの瞼はそのまま落ち、意識も眠りに落ちていった。
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