735人が本棚に入れています
本棚に追加
女に困らないであろうそいつが、断りきれずに参加した飲み会で酔ったオレをお持ち帰りしたのが始まりだった。
なんでこいつがオレを連れ帰ったのか、気がつけばオレはそいつの家で裸に剥かれ、後ろからガンガン責められていた。
酒に弱いオレはその時完全に酔っていたのに、その衝撃と激痛に意識を戻され、泣いて喚いて抵抗したのにそのまま犯されてしまった。その上、こともあろうに徐々に湧き上がる快感に身悶えて、最後はわけも分からず果ててしまったのだ。
はっきり言って童貞だった。もちろん後ろなど使ったことも無い。男が好きな訳でもないし、女にも興味が無い。そんなオレがなぜこんな、女に困らないようなイケメン陽キャパリピに襲われなければならないのか。しかも友達でもなければ知り合いでもない。話したことすらなかった。そもそもこいつの視界にオレが入っていたことすら不思議なくらいだ。それくらい住む世界が違うやつに、なんでオレはこんな仕打ちを受けるのか・・・。
茫然自失でベッドに転がるオレの前に、スマホをかざしてそいつは言った。
「すごくエロいよね?」
そこにはそいつに組み敷かれ、後ろに突っ込まれながらイク寸前のアホ顔のオレが写っていた。
「オレは神代風磨。末永くよろしく。真宮二千翔くん」
そんな自己紹介されなくてもそいつの名前は知っていた。だって有名だったから。だけどなんでそいつ・・・風磨がオレの名前を知っていたのか・・・。でもその時のオレは、そんなことよりも自分の置かれた状況に半ばパニックになっていた。だって風磨の言葉が『この写真をバラされたくなかったらオレの言うことを聞けよ』と聞こえたからだ。
目立たず、静かに無難に過ごしていたオレのキャンパスライフが、音を立てて崩れた瞬間だった。
そしてこの時この瞬間から、オレの下僕生活が始まることとなる。だけど、それはオレが想像するのとは少し違っていた。
オレはてっきり、パシリにされるのかと思っていたんだ。
それこそ何か買わされに行ったり代返したり、代わりに課題をしたりと、めんどくさいことを押し付けられる都合のいい下僕。こんな地味で陰キャなオタクと知り合いなんて恥ずかしいだろうから、用がある時だけ呼び出されるのかと思ったのに、風磨はなぜかオレをそばに置くようになった。
いつでもどこでもオレを隣に置き、別の講義の時は終わったらすぐに風磨のところに来るように言われた。少しでも遅れるとすぐに電話が来て、それに出ないとGPSで探されて迎えに来た。
家もいつの間にか合鍵を作られ、オレの家に入り浸るようになって、気がつくと当たり前のように一緒に住んでいた。
もちろんベッドも・・・。
あの飲み会の夜から、風磨は毎日オレを抱いた。それこそ鬼畜か、と思う程毎日だ。初めてでかなりのダメージを食らって、あそこが腫れて痛みがあっても、当たり前のように翌日オレをベッドに沈めてのしかかってきた。
一変した生活に心がついて行かず、おかしくなって泣いて許して欲しいと懇願したこともあったけど、風磨は笑ってスマホをかざし、あの写真をオレにチラつかせた。
気が変になる。
そう思ったけど、人間て案外頑丈に出来ているものだ。
近寄ることも出来ないくらい怖かった陽キャの集まりも、使う予定がなかった固く閉ざした後ろの穴も、時が経つにつれて慣れてしまう。
キラキラ集団の中で、その中心にいる風磨の隣にいることが苦痛じゃなくなり、周りもオレがいることが当たり前になっていった。むしろそばにいない方がおかしいのか、別の場所にいると心配さるようになった。
最初のコメントを投稿しよう!