目を閉じる

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 私は意識の底に沈んでいた。  自分の呼吸から生まれた目の前の気泡に手をのばすと、  身体がバランスを保てないままふうわりと浮かび始めた。  私は揺れながら、あまりにも軽い自分を嘲った。  閉じたままの(まぶた)にぼんやり明るい光がひろがり始めた。  今は朝かもしれない。
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