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不意にわたしが抱きしめられた。
もちろんマリトさんに。
「フハハハ、どうだ羨ましいであろう。
この者は我の妾である!」
「ちょ、マリトさん何してるのよ。」
これじゃ動けないじゃない!
「相手を挑発してるのである。」
「どんな挑発よ!」
こんな時に抱きついたってなんの意味もないよ!
てか、動きづらい!!
「我が羨ましかろう!」
「いやいやいや、だからそれ挑発になってないから!」
何となく呆れた視線を感じる気がする。
相手の重騎士はフルフェイスの鎧を着込んでるから表情が分からない。
分からないんだけど、一瞬手が止まったよね?
やっぱり呆れてるよね?
とはいえ、相手はトラップゾーン真っ只中。
下手に動くこともできないでいる。
この隙に一気に相手を崩すしかない!!
わたしはマリトさんの腕を振りほどいた。
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