ベースキャンプ

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あの夢……村が崩壊する夢。 ……村は無事なのかな? 「ねえ、ティポット。 村の様子はどうなの?」 ティポットなら、わたしが居なくなったあとの村の様子知ってるよね? 『今人はほとんど居ない。』 え? 人がいない??? 「ど、どうして???」 嫌な予感しかしない。 わたしの夢が現実に起こったのかもしれない。 『みんな突然居なくなった。』 「突然?」 一体何があったの? 「大丈夫であるか?」 ぬっとマリトさんの顔が視界いっぱい広がった。 「わぁ!」 びっくりした。 突然何よ??? 「マリトさん、びっくりするって。」 「さっきから独り言を言ってるのである。 どうかしたのであるか?」 「独り言って。 ティポットと話してるの!」 話に割り込んでこないでよ。 「ティ……なんとやらはどこにいるのであるか?」 「え? ここにいるよ。」 わたしの目の前に。 「どこであるか?」 「ここ。」 わたしはティポットを指で示した。
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