二人目の退魔師

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 さて、本堂に入るのは二回目である。  ただし今回は、祭壇上で蝋燭の火が灯され、小さな火鉢の中では炎が揺らめいている。  しかも初歌に勧められたのは、座布団ではなく布団で、睡眠導入剤らしい漢方薬も処方された。  暁士が二重三重に処方箋の説明をし、初歌の同意を取ったことは言うまでもない。  なんでも患者が目覚めていると、不安や恐怖を感じたりして憑いているものと影響し合ってしまうので、除祓をやりにくくなるし危険だということだった。  身支度して現れた和尚と暁士は、二人とも黒い着物の上に袈裟を着ていた。  退魔師親子は並んで座ると、静かな声で読経を始めた。  息子の方は髪を剃っていないせいか、確かに何かのイベントの衣装を着ているみたいに見えなくもないが、似合っていないわけではない。後で暁士にそう言ってやろう。  そんなことを考えながら堂の天井を見ている初歌の意識は、徐々に眠りに落ちて行った。 *
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