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「詩音、何か言ってよ!」
私が詩音を問い詰めると詩音が、
「私はこの世界にずっといることはできないみたい…
ごめんね凛音!」
と静かな口調で私に謝った。
「いやだ、詩音がいないと私何もできない!」
私が少しわがままを言うと詩音が困ったような表情で、
「凛音には大切な親友ができたでしょう!
これからは親友を頼りにしてもいいと思うよ!」
と私にアドバイスしてくれた。
「凛音、自分に自信を持てば大丈夫だよ!
凛音は人に対して優しいし正直だから、凛音の周りにはすてきな人が集まると思うよ!」
詩音は優しく私に言葉をかけてくれた。
詩音の言葉に私は目から涙がこぼれ落ちた。
「さぁ、もう暗くなってきたから帰った方がいいよ!」
私はしぶしぶトンネルに向かって歩き始めた。
少し歩いて後ろを振り向くと、いつものように詩音の姿はなくなっていた。
私はトンネルを抜けて自転車を置いた駐輪場に歩いて行くと、何か周りの景色が変わったような気がした。
私はふと立ち止まって後ろを振り向くと、さっきまであったトンネルがなくなっていた。
これで詩音に会うための道が断たれたのだと私は思った。
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