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恵梨香 1
目が覚めてぼんやりしたまま枕元のスマホを手に取る。
未読数がやばいことになってる。
ぎりぎりだから時間やばいのに、気になって開く。
他のトークはどうでもいいけど、まず大事なトークだけ。悠からだ。
「何か知ってる?伊東先生のことだけど」
え、何?何も知らない。仕方なく他のトークを開く。
え、転落?死んだ?化学か物理、地学、なんだっけ?
とにかく理科科目の先生だよね?
若くて地味でほとんどノーメイクな先生だったことくらいしか印象に残ってない。
何も知らないけど、びっくり。
とにかく返信はしとく。
「知らない、今見てびっくり。何があったんだろう?事故?」
ママはもう出勤してるから誰も急き立ててくれない。
朝ごはん食べてると間に合わない。
コンタクトいれてアイブロウとビューラーだけなんとか済ませて、とにかく行かないと。
ママからパチったデパコスのペンシルで仕上げる。さすがにいい感じ。
きれいに削れてるのはカウンターで削ってもらってるかららしい。
ペンシル失くしたって騒いでたけどあたしがパチったことにはまだ気づいてないみたい。
ビューラーだけは念入りに。二つ持ってて使い分け。
ビューラーと下地で今日はいいや。
戸締まりして、駆け出す。
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