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英史郎の病状
どうにか一命は、とりとめた。
だが植物状態だった。
乙葉は毎日、声をかけつづけた。
『今日は暑いね。○℃だよ。そういえばね。凪ったらね』などと。
乙葉は英史郎の職場の探偵学校にも連絡をかける
乙葉『ハワイで主人の頭に銃弾一発うたれて植物状態になりました』
探偵学校は、しばらく副学長が学長の代わりに仕事をうけもつことになった。
乙葉は凪にも英史郎の様子を伝えた。
凪『大丈夫なの?お父さんもお母さんも(英史郎と乙葉の事)』
乙葉『大丈夫よ。心配しないで』
凪『心配しないでと言われても心配になるよ。ハワイに行きたい』
乙葉『それはダメよ。お母さんが見てるから大丈夫よ』
凪『じゃあ、探偵学校に行かずに働くよ。』
乙葉『それで良いと思ってるの?お父さんが聞いたら、絶対に探偵学校に行かせるわよ。私がなんとか働いて稼いで、って……看病は誰がするのよ。1人ツッコミになってしまったわ。凪が働く事で良いのかしらね……』
凪『良いの。僕が仕事をするから経済面では気にしないで』
乙葉『解ったわ。任せる』
と言いつつ乙葉は、あることに不安を抱いていた。
実はハワイのICUなどで入院すると高額な費用を払わないといけないのだった。
保険に入って居れば良かったが入っていないため払わないといけないのだ。
早めに目覚めて日本に帰って欲しいと乙葉は願う。
貫さんは英史郎に何回も連絡をしたが連絡がかからなかった。
胸騒ぎをした貫。
凪に連絡をかけた。
貫『英史郎に何回も連絡をしたが、かからないんだ』と動揺しながら話した。
凪『実は……両親がハワイに旅行に行ったんだ。そしたら、お父さんが……』と泣きながら一生懸命伝えようとした。
貫『英史郎に何か、あったのか?落ち着いて、ゆっくり話せば良い。いつまでも待ってるから』
凪『倒れて植物状態になって』
貫『嘘だ……』
貫は言葉を失う。
心ここにあらず。
そのような状態で貫は水昌(みあき)に英史郎の事を伝達した。
2人は英史郎の事は気がかりだが凪の方が誰も傍に居ない状況なので支えが必要なのではないかという心情だった。
貫と水昌は凪の所に訪れた。
凪は落ち着きがなかった。
貫『大丈夫か?大丈夫なはずないよな。大事なお父さんだしな。凪の好きな食べ物は何だ?』
凪『焼き肉です』
貫『じゃあ焼き肉を食べに行こう!』
水昌『なに言ってるの?こんな時に』
貫『こんな時こそだ』
凪『食べに行きましょう』
3人は、たわいもない話をして笑った。
凪『そういえば貫さんと水昌さんの関係って……』
貫『付き合ったり離れたりだったから付き合っては居るんだけど結婚してなくてさ。』
凪『結婚しないんですか?』
貫『いまさらさ』
凪『そうですか。亡くなる前に少しだけでも良いから一緒に居ようとは?』
貫『失礼な!僕は、まだ50歳、いや違うわ、もう78歳だったわ』
貫はノリツッコミをした。
貫『隆一の探偵事務所の社長じゃなくなり今は会長だよ』
凪『社長さんは誰が受け継いだんですか?』
貫『同僚の中で隆一の会社を大事にしてくれそうで仕事が出来る方に社長を引き継いで貰ったよ』
凪『そうだったんですね』
貫『凪、友達は居るか?』
凪『居ます。』
貫『友達と一緒に同居してみては』
凪『なぜ友達と同居しないといけないんですか?』
貫『その方が安心なんだよ。僕と住む?凪と水昌と僕の3人で住もう。その代わり水昌とイチャついていても文句言うなよ』
凪『嫌ですよ。解りました。友達と同居します』
食事が終えると3人は解散した。
凪は友達に電話して同居の話を持ちかけると了承してくれた。
凪は英史郎の自宅で山田大毅(だいき)と井上聖と同居する事となった。
貫と水昌は英史郎の事も気にかけていた。
2人は英史郎が居るハワイの病院に行く。
ハワイの病院につき受付で英史郎が入院してる部屋を聞き、向かう、乙葉に会うと
貫『初めまして貫です。よろしくお願いします』
水昌『初めまして水昌です。よろしくお願いします』
乙葉『初めまして乙葉です。よろしくお願いします』
と挨拶をする。
乙葉は『英史郎から貫さんの話しは聞いております。いつもお世話になっております。ありがとうございます』
貫『何か困ってる事は、ありますか?』
乙葉『それが……ハワイの入院代が高くてどうしようと思いまして』
貫『任せて下さい』
と言っては、みたものの、どうしようか思案していた。
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