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凪は高校生になり凪の殺害予告事件
誘拐事件の事があり東宮夫婦は(英史郎と乙葉夫婦)凪に、なにかないかと、これまで以上に気を付けた。
凪はトイレが出来るようになり体を洗えるようになり着替えれるようになりスプーンやフォークを使うのも上手くなった。話す言葉もどんどん増えていく。
保育園に行くのに嫌がった時もあった。
友達と喧嘩したからなのか。
年少の時の発表会、年中の時の発表会、年長の時の発表会は、少しずつ成長してるかのように思えた。
年少の時の発表会は、その場に居る事が精一杯のようだった。立たなければいけないところで座っている。セリフを言えない、歌も歌ってなくて、ぼーっとして立っている。どこ見てるの?って方向を見ていた凪。
年中になると皆が立つと同じように立った。
でも皆よりは遅いけど、乙葉は気にしない。周りと一緒に出来なくてはいけないのが重要じゃなく、凪が年少よりどれだけ成長したか、凪が自分なりに頑張ったかが重要だと思ったからだ。セリフは言えていない。歌は歌えた。所々歌えてなかったりするけど。
年長になると皆と同じように立てた。セリフも言えた。歌もしっかり歌えていた。
1年経つ事に成長していった。
凪の卒園式は涙が出た。
保育園に入る前の凪と、保育園に入って3年経ち小学生になる凪は多数の成長がみられたことや先生には、御世話になり乙葉と一緒にどうすれば凪が良い方向にむかうかを悩んだりしてくれて乙葉と同じように成長を喜び合ったり凪も先生になついて大好きだ。
凪の成長と先生によくしてくれたという思い出が涙になって出てきたのだ。
小学生になってランドセルを背負う凪。
大きくなったなと実感するなかで
ランドセルは凪には、まだ小さくて
まだ子供だなとも思う。
凪は学校に行って帰ってくると言われた宿題をする。
なかなか解けなくて教えてあげる。
凪に、ふと聞いてみた。
乙葉『凪の将来の夢は何?』
凪『探偵』
乙葉『そうなんだ。お父さん喜ぶね。お父さんの姿みて、そう思ったんでしょう』
凪『うん』
乙葉は、内心、(でも探偵は危険があるんだよ)と思っていた。
凪は学校から図書館の本を借りてくる。
借りてくる本は、コナンや、おしりたんてい、シャーロックホームズなどの探偵に関する本ばかりだった。
凪は、よっぽど探偵が好きなんだなと乙葉は思う。
その旨を英史郎に報告する乙葉。
英史郎は誇らしく思えた。
小学生の勉強は徐々に難しくなっていく凪は解くのが好きなのか勉強に夢中になった。
成績も良く友達も多いようだった。
自宅には友達を連れてきて、よく遊んだ。
自宅に塾でも始めたのかと思われる数の自転車が家に並んで
家の中には入りきれないほどの子供達であふれかえった。
この前まで小学1年生だったと思っていたのに
いつしか6年生になっていた。
下級生にも優しく接していて慕われてるようだった。
ランドセルの大きさは変わらない。
凪が大きくなっていってランドセルの大きさが変わって見えるのだ。ランドセルが大きくなったのが小さく見える。それだけ大きくなったということだろう。
中学生になり、やはり成績は良く、学年でトップの成績まで上りつめた。
部活でも良い成績を残し文武両道だった。
何処に行っても人気者だった。
高校生になっても中学生の時と変わらなかった。
高校3年生になった
ある日
東宮家のポストに入っていた
『凪は探偵にはなれない。罪深いやつだ。死ぬべきだ。殺してやる』と書いてある紙が入っていた。
英史郎は自分のせいで凪を苦しめているのではないかと思った。
凪はビクビクして怖がっていた。
学校に行きたがらなくなった。
担任の先生が凪の事が心配で東宮家に訪れた
担任の先生『ごめんください。すみません。急に。』
乙葉『いえいえ。大丈夫ですよ。』
担任の先生『凪くんが心配だったので来たんですが』
乙葉『忙しい中、ありがとうございます。怖くて学校に行けないみたいで……。』
担任の先生『そうなんですか。また来ます。』
乙葉『ありがとうございました。』
英史郎は、もう1回、凪の殺害予告を見てみる。
『凪は探偵にならない。罪深いやつだ。死ぬべきだ。殺してやる』と書いてある。
僕の事(英史郎の事)は書いてないぞ、凪の事しか書いてない、凪に恨みを持っている人なのか?
英史郎は学校に出向き
校長先生に
英史郎『忙しい中、時間を作って頂き、ありがとうございます。凪の殺害予告の紙がポストに入ってあって学校に行けなくなってしまったので凪に恨みを持っている人が居ないか調査したい』と言ったら
校長先生は了承してくださった。
英史郎は何かの視線を感じた。
視線の先を探して見るが見当たらない。
英史郎は凪の友達の所へ行く
凪の友達は山田大毅(だいき)と井上聖(せい)
凪の親友だ。
大毅と聖の母親は乙葉と一緒の産院だった山田さんと井上さんだ。
英史郎は大毅と聖に凪と遊んでくれてることに感謝を述べた。
凪の普段の様子について聞いてみる。
みんな、『明るくて人気者だよ』と言う。
1人ただならぬオーラを放っている生徒を発見する。
彼は本を読んでいて1人でいる。
話によると名前は斉藤、男子生徒。
いつも1人で居る。勉強は出来るが運動神経は悪い。彼の笑顔をみたものは居ない。
斉藤くんにも英史郎の事を聞いてみた。
すると
斉藤『好かれてるみたいだね。僕は、そんなに好きではないけど』
英史郎『何で好きではないの?』
斉藤『僕と東宮くんは(凪)親交はないから』
英史郎『そうか。じゃあ、なんで睨んでたの?』
斉藤『いや、それは、東宮くんの父ってどんな方だろうって思って見つめていたら睨む形になったんですよ。』
英史郎は帰宅する。
英史郎は凪に聞く
『斉藤くんってどういう子?』
凪『なに?急に?』
英史郎『今日、実は学校に出向いたんだ。そしたら斉藤くんが居てさ、どういう子かなと思って』
凪『いつも1人で居るよ。勉強が友達って感じで、僕が学年トップの成績を取ったら悔しがってたな』
英史郎『そうなんだ。お金持ちなの?』
凪『そうみたいだね』
凪の殺害予告の紙に書いてあった字と似ている字を見つければ良いんじゃないかと思った英史郎。
英史郎は再び凪の通う学校へ出向いて
一人一人の字を確認する。
殺害予告の紙の字に似てる子を見つける。
斉藤くんだ。
英史郎『なんかどこかでみたことある字だ』
斉藤『気のせいじゃないですかね』
英史郎『何故、そう言うの?』
斉藤『なんとなくです』
英史郎『あっ思い出した。ちょっと帰りに話させてくれないかな?』
斉藤『今、言ってください。』
英史郎『今で良いの?』
斉藤『後で……』
生徒達が皆、帰ってから
英史郎『僕の自宅に凪の殺害予告の紙が届いてね。その紙に書いてある文字が似てるんだよ。その字とほら、この字』
斉藤が書いた字と持ってきた殺害予告の紙の字を比較する。
斉藤『僕の取り柄は勉強なんだ。なのにあいつが学年トップなんてとるから……』
英史郎『だからってやって良い事と悪い事があるんだ』
斉藤『でも僕は…皆に相手にされないけど学年トップだからと親は優しくしてくれたのに学年トップじゃなくなったとたんに『学年トップじゃないやつはいらない』って言うんだ』
英史郎『どうしてだろうか?確かに勉強が出来て皆から人気がある子供が居たら自慢気になるよ。でも成績が悪いとか良いとか、皆に人気あるとか人気ないとか親には関係ないんだよ。出来が悪かろうがなんだろうが可愛いんだよ。子供と喧嘩しようが親は子供の事が可愛いんだよ。きっと斉藤くんの親も斉藤くんが可愛いはずなんだ。斉藤くんに良い人生を歩んで欲しいという気持ちが絡まってしまったのかな。もうこういうことをしないって約束してくれないか』
斉藤『はい』
英史郎『凪は辛い思いしたんだ…』
斉藤『謝罪しに行ってよろしいですか?』
英史郎『いいよ』
斉藤は凪に謝罪した。なぜそんな事をしたのか事情も話した。
凪は斉藤くんを許した。
凪は再び学校に通えるようになった。
英史郎と凪は斉藤くんを警察に渡さず。
この事は自分達の胸にしまっておくことにした。
まだ斉藤くんは若い。凪が憎くて殺そうとしたのではなく成績が悪くなり、それによって親との関り合いが上手くいかなくなって、どうして良いか解らなくなって混乱して、このような行動に出た。
殺害予告を出したのはいけないこと。でも斉藤くんは変われると信じてるし周りのサポートも必要だ。
英史郎は斉藤くんの親御さんに事情を話した。
訴えないけど支えてあげて欲しいという気持ちを斉藤くんの親御さんに伝えた。
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