強引な明るさで前進を

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強引な明るさで前進を

「……で、お前の名前は?」 「は! そうでした、私たちはまだ貴方のお名前を聞いてません」  レーヴェの言葉を聞いてロッテが思い出したようにそう言ったので、男二人はそんな彼女の様子に唖然とする。何となく天然っぽいなとは思っていたが、どうやら本当にそうらしい。  普段は必要以上にしっかりしているため、こうやってボケると冗談なんじゃないかとも思うのだが。 「ああ、俺の名前はアゼル、職業はご存じの通り有能な暗殺者だ」 「有能な暗殺者は、標的に助けられたうえ簡単に寝返ったりしないだろ……」  そう突っ込まずにはいられないレーヴェと、ニコニコと話を聞いているロッテ。二人の反応は面白い程に違っているのだが、アゼルはまったく気にしてないようだ。  それどころか、今度はそっちの番だと言わんばかりに二人の自己紹介を待っている。しぶしぶレーヴェが…… 「レオンハルトだ、レーヴェとでも呼んで欲しい。普段はナーデランド辺境地で暮らしているが、時々傭兵の仕事なんかもしている」 「レオンハルト? ううん、どこかで聞いたような……?」 「気の所為だろ、よくある名前だからな。さあ、次はロッテの番だ」  アゼルが首を傾げて何かを思い出そうとするが、レーヴェはその話題をバッサリと切ってロッテに話を回した。 「私はシャルロッテ・ファーレンハイト。ファーレンハイト侯爵の娘で、聖女アンネマリーの姉になります」 「貴族令嬢で、あの聖女アンネマリーの姉か。そういやそんなような話もしていたな」
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