強引な明るさで前進を

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「この話題はそろそろ終わりにして休もう、明日は日が登る頃には動き出さなければならないからな」 「そうだな、先に俺が見張りをする。二人は今のうちに少しでも眠っておいてくれ」  レーヴェが話を切り上げると、アゼルも周りが良く見渡せる位置に移動して座り込んだ。ロッテはレーヴェに守られる形で、横になると疲れていたためかすぐに眠りの世界へ落ちていく。  「無理をさせてごめんな」そんな呟きが聞こえたような気がしたが、瞼が重くてその言葉に返事をすることは出来なかった。 「相当疲れていたんだな、この状況ですぐに眠ってしまうなんて」 「もともと貴族の令嬢だからな、こんな旅に慣れている訳がない。それでも彼女の存在はこの国を救うためには必要不可欠だからな」  緩やかにだが確実にこのゼーフェリング王国は変化していっている。日々濁っていく水と、徐々に枯れ始めた草木……そして少しずつ腐っていく大地。  王都の中では気付きにくいが、自然豊かな周りの町や村ではその変わりように人々も焦っている。このことをどうやってでも国王に知って欲しい。  しかし国王や王宮は聖女と呼ばれているアンネマリーに絶対の信頼を置いている、自分の立場でどれだけ真実を伝えることが出来るだろうか?  レーヴェはロッテの寝顔を見ながら、彼女を聖女として認めてもらうにはどうすればいいのかをずっと考えていた。
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