強引な明るさで前進を

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「……そういやあの婆さん、レーヴェやロッテの知り合いなのか? 俺が二人を追っかけているのを、知っているかのような口振りだったが」 「知り合いというか、俺にとっては育ての親みたいな存在ともいえるな。子育てに向かない人だから、結構雑に扱われてたが」  ロッテはそんな二人の話を黙って聞いている。自分からはあれこれレーヴェに聞くことが出来なかったので、アゼルが次々に質問してくれるのが有難い。  それにしても、レーヴェは謎が多い。幼少期をあの女性と過ごしてきたはずなのに、出会ったのは辺境地だ。しかも魔女と呼ばれる彼女に育てられたにもかかわらず、彼は凄腕の剣士なのだから。 「ふーん? なんか色々複雑そうだが、俺も人の素性にあれこれ言えた立場でもないしな」 「……後ろめたい事があるわけじゃない、ただ今はまだ話せないことが多いだけで」  アゼルはそんなレーヴェの言葉にさほど興味も無さげだが、ロッテは彼のその発言がとても気になっていた。  いつか本当のことを話してくれるだろうけれど、その時に彼と離れなければならなくなるような気がして。 「レーヴェ。あのね、私……貴方と出会って本当に良かったと思うの、これからもレーヴェと一緒にいれたら良いなって」 「……ロッテ」  きっとレーヴェならばロッテが本当に言いたいことも気付いてくれるだろう。そう思いながら、彼女はレーヴェをジッと見つめている。  そんな彼らを交互に見て「二人だけの世界作るの、止めてもらえませんかねえ……」とアゼルは一人そう呟いていた。
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