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(ああ……、やっぱりこれは夢だ。理屈になってない)
どうして夢を見ているのか――眠ってしまっているのかは、この際棚上げしておく。
「で……、これからどこへ行くの?」
いまの説明で納得したわけではなかったが、これ以上この件について答えを求めたところで満足できるような返事は期待できないだろうと、三条は質問を変える。
「あの丘の向こうだ。そこから見える城をいまからおれたちで攻め落とすんだ」
(はい……?)
城を攻め落とす――そんな言葉をネコが発するとは思ってもみず、三条は混乱する。
(いったい、なにがどうなっているの……?)
雨太郎が引き連れているネコたちは、これから始まる戦いに臨もうというのだ。
「だから邪魔をするなよと言ったのさ」
冗談なんか言っていない、とわかる口調で雨太郎は釘を差した。
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