春の夜はまだ寒く

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「ぼくらペットさがしを依頼されてるんですよ。なんかあったんですか?」  原田は警察官に視線を向ける。 「そちらは二人でペットさがしですか?」  警察官は原田に向き直る。 「はい、ぼくはまだ一人前ではないので、先輩について教わっている最中なんです。夜中ですので三条さんのボディガードも兼ねてますが」 「なるほど……」  警察官は原田と三条を無遠慮に見比べる。 「わかりました。暗いので不審人物には気をつけてください」  二人の警察官はその場から去っていった。 「どうもご苦労さまです」  先野はその背中に声をかける。それから、 「おかげで面倒なことにならなくてすんだぜ――」  ほっと息をついた。 「にしてもすごい偶然だな。二件のペットさがしが同じ町内だとは」
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