嘘の正体

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「うぅぅあああああーーーーっ…、っ、」 言葉に出来ないんだろう。 こいつが今まで溜めた気持ちは、笑顔に消した気持ちは、言葉で表せるものじゃない。 叫びだった。 それはもう心の奥から、全身から出てきたような叫び。 「疲れたんだよな、もう。嫌になったんだよな、頑張ることにも……このまま生きることにも、」 小学3年生からだっけ。 俺なんか高校に上がる前だから、まだ1年もロストワンやってないんだよ。 でもお前は6年以上もクラウンだったんだ。 「6年って……馬鹿じゃねーの、」 もし高校で俺と出会わなかったら、おまえどうなってたんだよ。 それからプラス3年追加されて9年になるってことか? これ以上すると、本当におまえは消えてしまう。 もう十分すぎるよ、音無。 もう頑張らなくていい。 「もう仮面なんか付けなくていいよ、」 でもお前って、たぶんそう言ったとしても癖のようなもので新しいものを取り付けてしまうんだろう。 そーいうのって中々すぐには治せないだろうし。 「安心して音無。おまえがまた貼り付けたって…その度に俺が何度だって取り外して、バキバキに壊してやるから」 怖いんでしょ、仮面が失くなることが。 本当の顔は何よりも弱いから、そうやって隠さないと人前に出られなくなっちゃったんだろ。
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