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まわす、まわす。
「お、お祓いの人呼んでえええ!お、お願い、お願いだからぁ!」
女性が転がり落ちるように、コーヒーカップ型のアトラクションから飛び出してくる。なんだなんだ、と皆がそちらを見たり、スマホで撮影する様を僕は苦い気持ちで見るしかなかった。
嫌だなあ、と思っても逆らうことなどできない。僕だって原因を作った一人だし、上の人間に逆らうことはできないただの従業員なのだから。
掃除をしながら、その時ふと思ったのだ。
自分はなんのために、遊園地に勤務するようになったんだっけ。みんなを喜ばせる仕事がしたかったんじゃなかったっけ、と。
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