ジルと漂泊の姫

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「はい。これであたしは、迷っていた自分から卒業できる。この国の王女(・・)として、戦わねばならないと心に決めました」 そうかい、とジルは返しましたが、しばらくしてあんぐりと口を開けましました。 「王女だって?」 「あら、言ってませんでした?」 ジルは頭をばりばりと掻きました。 「とんでもないことになっちまったなぁ……」 「一緒に逃げましょうか?」 冗談です、と笑ったオリビアは、今までで一番の笑みを浮かべていました。
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