正反対のエロ漫画家が連載枠争奪戦をするBL

１.底辺エロ漫画家

　一人暮らしで誰も聞いてくれる相手はいないが、本音が駄々洩れる。正直ちょっと面倒くさい動画配信だが、やめる気はなかった。顔バレしないよう目元を隠すベネチアンマスク（アイマスクの派手なやつだ）も、使用するアダルトグッズやちょっとエロい下着も、本業のエロ漫画の役に立っているからだ。今日買った桃プリの漫画も、経費で落とせるだろうか……。

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　モニターの前で天木は目を見開いて固まっていた。嘘だろう、ともう一度収益確認ページに入りなおす。しかし何度見ても現実だった。配信した動画「泥棒猫と発情期で読ナニー」は史上最高額の累計投げ銭だったのだ。マージンを引かれた後の金額を確認しても、かなりの数字になっている。

「ぎえーっ」

　死ぬほど悔しかった。桃プリの漫画を買って金払うだけじゃ悔しかったため、読み上げオナニー配信という形にしたのだが……。普段ひとりで漫画を読んでいるよりも盛り上がってしまい、かつてないレベルに気持ちよかった。悔しい、死ね、悔し……っ。天木は目をカッと見開いて、パソコンのモニターに１日ぶりｎ回目のパンチをお見舞いした。

「うわあああっ」