1.底辺エロ漫画家

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 桃プリがいいかげんな説明で丸め込もうとしていたくだんの企画は、後日丁寧なメールが送られてきた。 「……串田さんから」  桃プリお前に説明の責任があるんじゃねえのか、ああ? とマウスを叩きつけながら、天木は文面に目を走らせた。串田さんは広告代理店のプロデューサーらしく、この企画の責任者のようだ。天木も日ごろから利用するミコミコ動画生放送で配信されると冒頭に書いてある。 「エロ漫画ロワイヤル(仮)……ダッサ」  いくら仮題とはいえ、もう少しなんとかならなかったのだろうか。ロワイヤルということは、普通の漫画トーク番組と違う予感がした。ふうんと読み進めていたが、天木の冷めた感想は次の極太明朝体で取り消された。  ――あともう少し! 殻を打ち破りたい若手成人向け漫画家3人がコミックHEAVEN本誌連載を賭けて難関に立ち向かう!!  与えられる課題に取り組んで、最終審査まで3か月の拘束。その中でエロ漫画の制作を行うのだな……ふむ、と思っていた。そうしたら衝撃的な一文が目に飛び込んできた。  注、エロシーンは全年齢チャンネルで放送できないため作画させないこと。
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